ヘリコバクター・ピロリ菌とは
ヘリコバクター・ピロリ菌（以下ピロリ菌）は、胃の粘膜に生息するらせん状の細菌です。主に胃や十二指腸などの病気の原因となることが知られています。
感染経路はまだ完全には解明されていませんが、幼少期にや食べ物を介して感染することが多いと考えられています。衛生環境が整っていない地域での感染率が高い傾向にあります。
主な症状
ピロリ菌に感染しても、必ずしも症状が出るとは限りません。多くの場合は無症状のまま経過します。
しかし、胃炎や潰瘍（かいよう）が進行すると、以下のような症状が現れることがあります。
- 胃の不快感・痛み
みぞおちの痛み、しくしくとした痛み、空腹時の痛みなど。 - 胸やけ・げっぷ
胃酸が逆流するような感覚や、頻繁なげっぷ。 - お腹の張り
- 食欲不振・吐き気
- 黒色便
便が黒く変色している状態。
検査方法
ピロリ菌の検査方法には、内視鏡を使う方法と使わない方法があります。
内視鏡を使う検査
- 迅速ウレアーゼ試験・組織鏡検法
採取した胃の粘膜にピロリ菌がいるか調べます。 - 培養法
採取した胃の粘膜からピロリ菌を培養して調べる検査です。どの薬が効くのか確認できます。
内視鏡を使わない検査
- 尿素呼気試験
この検査は、薬を飲んでから息を集めて調べる方法です。
ピロリ菌がいると、飲んだ薬が分解されて息の中に二酸化炭素が増えるので、その量を測って感染しているかが分かります。体への負担が少なく、除菌できたかの確認にも使われます。 - 抗体測定法
この検査は、血液や尿、唾液を使って、過去にピロリ菌に感染したことがあるか（抗体があるか）を調べます。
抗体は過去の感染でも検出されるため、この検査だけでは現在も感染しているかの正確な判断は難しく、別の検査が必要になる場合もあります。 - 便中抗原測定法
便中のピロリ菌の抗原を調べる検査です。体への負担が少なく、比較的簡単に行える検査で、尿素呼気試験と同様に、ピロリ菌の除菌が成功したかを確認するためにも用いられます。
治療方法
ピロリ菌の治療は、主に「除菌療法」と呼ばれる薬物療法で行われます。指示された期間、用法・用量を守って確実に薬を服用することが非常に重要です。
ピロリ菌を除菌することで、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発抑制、胃がんの発生リスクの低減などが期待できます。
- 一次除菌療法
胃酸分泌を抑える薬1種類と、2種類の抗菌薬を組み合わせた3剤を、通常1週間連続して服用します。
除菌成功率は70～90%程度とされています。 - 二次除菌療法
一次除菌療法で除菌できなかった場合に行われます。抗菌薬の種類を変更した3剤を、1週間服用します。
除菌成功率は90%程度とされています。 - 三次除菌療法以降
二次除菌療法でも除菌できなかった場合、保険適用外の治療となることがありますが、使用できる薬剤の組み合わせを検討し、治療が試みられることがあります。
治療実績
あきる野市にお住まいの方が、当院を多く利用されています。
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