胃がんとは
胃がんは、胃の壁の最も内側をおおっている粘膜の細胞が、何らかの原因でがん細胞に変化し、無秩序に増殖を繰り返す病気です。
早期の段階では自覚症状が乏しいことが多いですが、進行すると様々な症状が現れ、生命に影響を及ぼす可能性があります。しかし、近年では検診の普及や診断技術の向上により早期発見されるケースも増え、治療法も進歩しています。
胃がんは、がん細胞が胃壁のどの深さまで達しているか、リンパ節への転移の有無、他の臓器への転移の有無によって、進行度(ステージ)が分類されます。
このステージが治療方針を決定する上で非常に重要になります。
主な症状
早期の胃がんでは、自覚症状がないことがほとんどです。検診などで偶然発見されることも少なくありません。
胃がんが進行するにつれて、以下のような症状が現れることがあります。
しかし、これらの症状は胃炎や胃潰瘍など他の病気でも見られるため、症状があるからといって必ずしも胃がんであるとは限りません。
- みぞおちの痛み
- お腹の張りや不快感
- 食欲不振
- 体重減少
- 吐き気、嘔吐
- 胸やけ
- 飲み込みにくさ
- 吐血
- 黒色便
便が黒く変色している状態。 - 貧血
めまい、ふらつき、動悸など
検査方法
胃がんの診断と進行度の評価のために、問診に加えて以下のような検査が行われます。
- 胃X線検査(バリウム検査)
バリウム(造影剤)を飲んで胃の形や粘膜の状態をX線で撮影する検査です。 - ペプシノゲン検査
血液検査で胃粘膜の萎縮度を調べる検査です。 - ピロリ抗体検査
ピロリ菌感染の有無を調べる検査です。 - 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)
口または鼻から細いカメラを挿入し、食道、胃、十二指腸の粘膜を直接観察します。
がんが疑われる部分があれば、組織の一部を採取して病理検査を行い、がん細胞の有無を確定診断します。
早期発見に最も有効な検査です。 - CT検査
X線を使って体の断面を撮影し、がんの深さ、周囲の臓器への広がり、転移の有無を調べます。 - MRI検査
磁気を利用して体の断面を撮影する検査で、特定の状況でCT検査を補完する役割があります。 - 超音波内視鏡検査
内視鏡の先端に超音波装置がついており、胃壁の内部や周囲のリンパ節を詳しく観察できます。
がんの深さを調べるのに有用です。 - PET検査(陽電子放射断層撮影)
全身のがん細胞の活動を調べる検査で、転移の検索などに用いられることがあります。
※当院で行われていない検査は、提携医療機関又はご希望の医療機関をご紹介させて頂きます。
治療方法
胃がんの治療法は、がんの進行度(ステージ)、全身の状態、年齢、合併症の有無などを総合的に考慮して決定されます。
主な治療法には以下のようなものがあり、場合によって組み合わせて行います。
- 内視鏡治療
リンパ節転移の可能性が低く、早期の胃がんが対象です。内視鏡を使って胃の内側からがんを切除します。
体への負担が少なく、胃を温存できるため、術後のQOL(生活の質)が比較的良好です。 - 手術療法
リンパ節転移の可能性がある、または深い胃がんの場合に行われます。
がんのある部分の胃と、転移の可能性がある周囲のリンパ節を切除します。
従来からの開腹手術に加え、近年では傷が小さく体への負担が少ない腹腔鏡下手術やロボット支援下手術も広く行われるようになっています。 - 化学療法(抗がん剤治療)
- 手術前にがんを小さくしたり、手術後に取りきれなかった可能性のある小さながん細胞を叩いたり、再発予防などの目的で行われます。
複数の抗がん剤を組み合わせることが一般的です。近年では、がん細胞の特定の分子を狙い撃ちする薬や、免疫の力を利用してがんを攻撃する薬などもあります。 - 緩和ケア
がんと診断された時から、痛みやその他のつらい症状、精神的な苦痛などを和らげ、患者さんとご家族のQOL(生活の質)を維持・向上させるためのケアです。
治療の初期段階から並行して行うことが重要です。
※当院で行われていない治療は、提携の医療機関又はご希望の医療機関をご紹介させて頂きます。
治療実績
あきる野市にお住まいの方を中心に、市外からも多くの患者様にご来院いただいております。
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